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知って得する建築知識

コージェネレーション(Co-Generation)

コージェネレーション(Co-Generation)

コージェネレーションは、「Co(ともに)」と「Generation(発生する)」の合成語で、電気と熱を同時に発生させることからこう呼ばれる。その原理は、発電機で電気をつくるときに使う冷却水や排気ガスなどの熱を、温水や蒸気の形で利用する。具体的には、温水は給湯・暖房に、蒸気は冷暖房・工場の熱源などに使う。一つのエネルギー源から「熱」と「電気」を合わせて供給するので「熱電併給」とも呼ばれる。燃料は石油、天然ガス、LPG、燃料電池などで、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービンなどを原動機として発電する。

このうち、ガスを使って電気と熱を取り出すものが「ガスコージェネレーションシステム」で、ガスで発電するとともに、排熱を給湯、空調、蒸気などに利用する。ガスエンジン方式、ガスタービン方式、燃料電池方式の3方式があり、都市ガスを利用するため環境に優しく、省エネ性能も高い。また、石油を燃料として発電を行うのが「石油コージェネレーションシステム」だ。現在はディーゼルエンジンとガスタービンを原動機として発電するものが全体の93%以上を占める。ただし産業用では大型のガスタービンの導入比率が高く、発電容量でみると50%を超える。

火力発電などの従来の発電方式のエネルギー利用効率は40%程度で、発電した後に生じる排熱は発電所の外の海などにそのまま捨てて、再利用されてこなかった。コージェネレーションは、これまで捨てていた熱を有効利用するため、発電のために使ったエネルギーの効率を高めることができる。発電方式によっても違いはあるが、一つのエネルギー源から最大電気エネルギー40%、熱エネルギー40%、合わせて80%近くの高いエネルギー効率を得ることができる。

コージェネレーションの歴史は古く、初めて登場したのが19世紀後半の1893年のこと。ドイツのボストシュラッセ発電所から市庁舎へ蒸気を供給したのが、世界で最初とされている。その後、欧州、アメリカなどで研究が進み、日本ではとくに1986年頃から、工場、ホテル、病院、オフィスなどに導入されるようになった。毎年コンスタントに400~450MWが導入され、2007年3月末(見込みを含む)現在、7,359件の施設で11,610台が稼動、発電容量は合計8,786MWとなっている。これは日本全国の電力用発電設備の約3%である(日本コージェネレーションセンター「コージェネレーションシステム導入実績」)。

一方、家庭用のコージェネレーションシステムも実用化され始めている。家庭用としては、燃料電池を使った家庭で利用できる小規模な出力を持った発電システムである「燃料電池コージェネレーション」の開発が進められている。家庭に送られてくる都市ガスを使って発電する仕組みで、2005年2月からガス会社が世界で初めて限定200台を市場投入し、レンタルを開始した。出力は1kwほどであり、排熱を利用して約60℃のお湯を沸かして、台所や風呂などに使う。また、液化石油ガス(LPG)を利用するものもある。家庭用の燃料電池コージェネレーションの普及には、コストダウンや実証試験が必要とされ、本格的な普及は2008年以降とみられている。

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