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エコ設備・資材

木の断熱材

熱容量が断熱材の性能を変える

★木の断熱材やセルロースファイバーの持つ特徴★

 

高い断熱性能
熱伝導率は高性能グラスウールと同じですが、熱抵抗値が高いので、断熱性能が高く、省エネルギーと快適で健康的な家づくりに貢献します。
熱の緩和性能
密度が一般的なグラスウールの10kg/m3や16kg/m3と比べて40kg/m3と格段に高く、内部に熱を蓄える熱容量が大きいので熱の伝わり方が遅い(蓄熱性に優れている)。 その為夏の夜でも涼しく寝ることが出来ます。もちろん冬の暖まった空気も壁を伝って外部に逃げて行きにくい事になります。
調湿性能、通気性能
これは家を長持ちすることに大きく貢献します。 グラスウール(約0.5l/m3)に比べて、10倍以上の7l/m3の水蒸気を含む事が出来、吸放湿もするので、壁の中の結露を食い止めます。結露が防げれば、かびの発生も防げます。
防音性能
密度が高いので、騒音をシャットアウトする効果があり静かな環境で睡眠を取れます。また、吸音性にも優れ家の中の音が外に漏れず気になりません。
安心、安全
すべて自然素材で作られているので、ホルムアルデヒドやVOCなどを発生させません。また、ダニやカビも発生しにくいので、シックハウスやアレルギー対策に貢献します。
施工性
隙間のない施工が容易に出来るので、確実な断熱性能が保てます。 袋に入ったグラスウールなどのようにヒートブリッジ(熱橋=外気の熱が建物の内部にまで簡単に伝わる部分のこと)が生じないので熱損失の非常に少ない躯体が出来ます。
防耐火性能
木だと燃えやすいのでは、思っていませんか?確かに木は燃えやすいのですが、木は表面が炭化して発火温度が上がってしまうために実は燃えにくいという性質があるのです。人体に無害な難燃処理方法を取り入れることも可能です。
防蟻性能
繊維の中に空気層が沢山あるので白蟻の生息に適した環境ではない。シロアリは、空気の無い密閉された場所でしか生息できません。空気層が沢山ある繊維の中は適さない環境になりますので、防蟻処理はする必要はないと言われていますが、ホウ酸塩など(人畜無害で半永久的な効能も有り、難燃処理にもなる)などを利用する事もできます。どちらにしても人体に有毒なものは使わなくてすみます。

 


 

住宅の省エネ化と断熱建材

住宅のゼロエネルギー化に向けた断熱建材の最新動向

1)繊維系断熱材の最新動向と性能
繊維板

菊地 吉男 (株)木の繊維 技術管理部 部長

1.製品概要

木質繊維系断熱材であるウッドファイバーは環境先進国であるドイツで開発された環境・健康に対応した次世代エコ断熱材であり、北海道産針葉樹(カラマツ、トドマツ)の林地残材や間伐材を原料として2009年からドイツの最新設備を導入し、北海道苫小牧市の生産工場(写真1)において生産・出荷を開始した環境保全・環境負荷軽減・地球温暖化防止に生産の過程から最大限配慮したエコロジー商品である。
林地残材や間伐材の利用促進をはかることで森林循環を促し、かつ、製品製造に使用するエネルギーはバーク(樹皮)(写真2)を燃料としたボイラーを設置し、木を無駄にすることなく活用して化石燃料に極力依存しない省エネルギー生産を実現した。木質繊維の原料は不純物のないバージンチップを使用し、ホルムアルデヒドやVOC(トルエン・キシレン他)フリーでシックハウス・アレルギー対策にも万全で住む人にも、建てる人にも安心・安全な断熱材である。

IBEC 原稿:木の繊維

 

2.蓄熱性

ウッドファイバーは熱容量が大きく、周囲の温度影響を受けにくい特長を持っており、夏季においては、暑さが室内に到達する時間を遅延させ、涼しい室内環境を創出する。冬季においても、室内の温度変化が緩やかなので室内温度を安定した状態で維持でき、年間を通して、冷暖房費の削減に貢献できる断熱材である。

グラフ(1) 蓄熱性能の比較

IBEC 原稿:木の繊維

比熱測定は「株式会社 アグネ技術センター」にて(真空理工製比熱測定装置SH-3000型)により実施した当社測定試験結果による。

 

3.防音性

音を吸収、透過させて「反射させない事」を吸音といい、音を反射、吸収させて壁の向こうへ「透過させない事」を遮音といい、吸音、遮音を含めた大きな括りで防音ということがある。
質量の大きい材料ほど遮音に適し、比重の軽い繊維質等ほど吸音に適していることから、断熱材の中では比較的に密度の大きい木質繊維系のウッドファイバーは遮音性と吸音性、両面の高い性能を有する防音性に優れた断熱材といえる。

グラフ(2) 残響室法吸音率試験吸音率比較グラフ

IBEC 原稿:木の繊維上記のグラフからRW40Kは低音域の吸音効果が高く、高音域での吸音効果は他の製品に比べ比較的低い、ウッドファイバー40Kは中音域から高音域にかけての吸音効果が高く、低音から高温まで比較的吸音性に優れた効果を発揮することができる断熱材である。
事例として、札幌市の近郊に位置する石狩市花川に新築された戸建住宅にて実施した防音測定結果を報告する。
隣接する道路は片側2車線の基幹道路であり、時間帯によって車輌通行量は多少多くなる地域である。
車輌通行時における外部騒音80db前後時において、内部騒音を測定した結果、45dbであり、35db前後の騒音低下が確認された。一般的な生活騒音が概ね60db前後であることから判断すると外壁にウッドファイバー断熱材を充填施工した建物は普段の生活において、なんら騒音に関する事象を気にすることの無い、防音性に優れた建物であることが確認できた。
ちなみに、この建物の内部暗騒音は35dbであり、車輌通行時における騒音45dbと比較した場合、夜間でもほとんど気にならないレベルであると判断できる。

4.吸放湿性

断熱材の持つ吸放湿効果とは、室内の温度上昇あるいは湿度の低下が有る場合に断熱材の中の水蒸気が室内に放湿され、逆に室内温度の低下あるいは湿度の上昇が有る場合に室内の水蒸気が断熱材の中に吸収される、つまり、室内の相対湿度の変化が小さくなるように作用することをいい、これらを吸放湿性能という。

ウッドファイバー断熱材の吸放湿性能について一般財団法人 建材試験センターにてJIS A 1470-1:2008(建築材料の吸放湿性試験方法―第1部:湿度応答法)に従って実施した試験の結果、12時間後吸湿量57.8g/㎡、12時間後放湿量48.5g/㎡であり、12時間後に83.9%放湿することが実証され、非常に高い吸放湿性能を有しており、木材の特性である調湿性能に優れた断熱材であることが確認された。

グラフ(3) 吸放湿性の比較

IBEC 原稿:木の繊維

各種断熱材の吸放湿性試験結果:一般財団法人 建材試験センターにてJIS A 6901の7.14吸放湿性試験に準じて行った当社試験結果による。
(この試験はJIS A 1470-1では実施できない製品が有る為、この試験方法で比較した)

5.防虫・防カビ性

ウッドファイバーにはシロアリに対して「死虫率100%」の効果が実証されているウッドファイバーLD-Bという防蟻性に効果のある断熱材がある。
この断熱材は一般財団法人 建材試験センターにてJIS Z 2911 かび抵抗性試験方法の湿式法に準じて実施したカビ抵抗性試験の結果、菌糸の発育が認められないという「0表示」と肉眼及び顕微鏡下での、カビの発育は認められないという「カビ発育状況0」の評価を得ている。
又、一般財団法人 日本環境衛生センターにおいてトコジラミ、コナヒョウダニに対する当社他製品と比較した忌避性試験の結果、5時間後における忌避指数から、50%弱~75%の防虫効果が確認された。
ウッドファイバーLD-Bは防蟻、防虫効果に対して大変有効であり、非常にカビが生えにくい断熱材であることが証明されている。

6.おわりに

ウッドファイバーは0.038(W/m・K)の高性能な熱伝導率を有し、省エネ基準4等級のC区分に対応している断熱材である。
建築物の省エネルギー化に貢献するウッドファイバー断熱材は森林の林地残材や間伐材を利用することで森林循環を促し、森林の適正な整備・保全によりCO2削減に寄与し、地球温暖化防止及び循環型社会の形成に貢献することから、製品の需要が増えるほど環境が改善される環境配慮型断熱材として社会に広くアピールし、商品の拡販に努めていきたい。

木の断熱材 のお問い合わせ

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