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知って得する建築知識

リフォーム版長期優良住宅

リフォーム版長期優良住宅
性能向上リフォーム・中古住宅市場活性化へ

出典:新建ハウジング

年度内にも基準策定

長期優良住宅のリフォーム版がいよいよスタートする。リフォームを行い性能の向上を図り、長期優良住宅として認定するしくみ。

有識者検討会で制度設計の検討が進められており、2013年度中にも基準案がまとまる見込みだ。長期優良住宅法自体は改修による認定も当初から想定していたが、技術的な課題があったことから、ここまで時間を要した。

2つの評価の枠組み

評価基準として自治体などが認定を行う「Sクラス」と、それに準じた性能を持つが自治体の認定は受けず第三者評価を想定した「Aクラス」の2つの枠組みを設ける。

Sクラス基準は、リフォームによって劣化対策・耐震性・維持管理・省エネルギー対策の4つの基準項目をすべて新築基準とほぼ同等のレベルで満たす住宅。満たしている住宅は自治体がリフォーム版の「長期優良住宅」として認定する。

Aクラス基準は、耐震性と劣化対策の2つの項目は必須とするが、他の項目は緩やかに運用する。部分改修や将来的な改修計画まで評価する「段階的改修」も認めていく方針。幅広く評価できるようにする。

インスペクションも導入

具体的な評価方法は現在検討中。建設住宅性能評価書など既存の評価制度の活用も図る方針だ。たとえば劣化対策では1996年の公庫融資仕様の耐久性基準に適合した住宅であれば、

  • 土台に防腐剤塗布(あるいはソフト対策)
  • 外壁通気層設置
  • 床下点検口設置

を行うことで、クラスS基準の「劣化対策等級3」に適合するとみなしていく考え。

Sクラス基準の自治体による認定を受けるにはインスペクションが必須となり、その結果は住宅履歴情報に残す。

新築版と同様、維持管理計画の策定も求められる。

補助事業で支援

制度の開始に向け補助事業が行われる。13年度の補正予算案で20億円、14年度当初予算案でも要望する。

補助額は、一戸あたり上限100万円、補助率は3分の1を想定している。Sクラス基準については最大200万円の補助を行う制度も検討している。

基準などが決まり次第公募を開始する。それぞれの基準への適合状況を判断して採択案件を決定する。

こうした性能向上リフォームの制度化と評価の確立は、国が進めよとしている中古住宅の担保価値の維持にも結びつく。市場で評価が定まれば、住宅ローンの融資額を増やすことに対しても金融機関から理解が得やすくなるはずだ。

 

認定なしのAクラスも用意
2つの基準の枠組みの違いイメージ

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Check Point!

  1. SクラスとAクラスの2つの基準を設定
  2. インスペクションを義務化
  3. 補助制度を検討、上限100万円中心に最大200万円も

 

家造りアドバイザーのコメント

いよいよ本格的に中古住宅のリフォームに行政も力を入れていきます。今までのリフォームという感覚からリノベーションという考え方にも理解が深まっていく第一歩になるでしょう。

家造りアドバイザー 上野 勝

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