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ハイブリッドeハウス 高性能・エネルギー高効率住宅

エネルギー消費の削減、高効率住宅に必要な家づくりの考え方。その1:太陽エネルギーの活用方法

太陽エネルギーの活用方法には、以下のような方法があります。

  1. 太陽熱温水器や太陽熱集熱器のように熱的に活用する
  2. 太陽光発電のように電気エネルギーに変換して活用する

住宅における太陽熱利用の方法は、主として給湯や冷暖房などです。給湯や冷暖房に使用する電気、ガス、灯油等のエネルギー源の消費量を減らすことにより、CO2発生量を減らし、さらに光熱費等を削減する経済効果があります。

太陽熱を利用するシステムは、大きくソーラーシステムと太陽熱温水器にわけられます。

  • ソーラーシステムは、集熱器とお湯を貯める部分(そのお湯を使うのではなく熱源として利用)がそれぞれ機器として完全に分離していますが、太陽熱温水器は集熱器とお湯を貯める部分が一体の機器であるのが特徴です。
  • 太陽光発電と太陽熱利用を複合利用する、光・熱複合ソーラーシステムもあります。

ソーラーシステムの仕組
ソーラーシステムの仕組(拡大)

集熱器を屋根に乗せ、蓄熱槽を地上または地下に設置します。太陽熱で集熱器が一定の温度に達すると集熱ポンプが自動的に運転し、集熱回路の中の熱媒を循環させ、蓄熱槽(熱のストレージ)にお湯を蓄えます。集熱器の面積を大きくすればセントラル給湯や暖房等が可能です。

 

 

補助熱源が必要な場合もある

  • ソーラーシステムはイニシャルコストがかかります。本体、補助熱源機、屋内使用設備、工事費などで、目的や規模で違ってきますのでしっかりとした目的に合わせてしっかりと計算して(イニシャルコストとランニングコスト)考えましょう。
  • 行政の補助金制度や住宅金融公庫の融資制度を研究しましょう。
  • 大量のお湯をたくさん使う場合は、補助熱源(電気、ガス、石油)が必要です。
    ※ハイブリッドeハウスではエコキュートを利用し経済効率とCO2削減を優先します。

太陽熱利用の手法とポイント:暖房エネルギーの考え方

太陽熱利用の手法

  1. 「ダイレクトゲイン」
    → 南側窓から太陽熱を取り込み床や壁に蓄熱させる。蓄熱槽には石やコンクリート等を。
  2. 「トロンブ壁」
  3. 「グリーンハウス」
    → 南側に植物(秋から冬に落葉する植栽)を設け日射を暖房エネルギーとして取り込む。 夏は、植物により日射遮蔽を行う。光合成から気化熱効果も。 太陽熱利用住宅の活用

太陽熱利用のポイント

  1. 冬の暖房エネルギーとして考える
  2. 冬は開口部から太陽熱を多く取り入れる設計を考える
  3. 冬は室内に入れた熱を逃がさないように考える
  4. 夏場の日射遮蔽を考える

暖房エネルギーの考え

  • (a):日射取得熱
  • (b):家電製品・人体からの室内発生熱
  • (c):暖房機器による熱

⇒必要暖房エネルギー量=(a)+(b)+(c)

⇒(a)日射取得熱を増やせば(c)暖房器の容量を減らせる

開口部から太陽熱を多く取り入れる設計を考える

  1. 窓サイズを変更せず天井部に移動 → コストUPにせずに入射率を多くする
  2. 窓サイズを変更せずに南側に吹き抜けを設ける → 間取りの工夫で入射率を多くする
  3. ガラス面の日射取得率を考える → 南側に遮熱LOW-Eを使うと日射取得率が減少するので遮熱LOW-Eは使用しない
ガラスの種類 熱貫流熱率 日射取得率
単板ガラス 6.51 0.88
ペアガラス 4.65 0.79
ペアガラスLOW-E 3.49 0.59
ペアガラス遮熱LOW-E 2.91 0.39
トリプルガラス 1.86 0.71
トリプルガラスLOW-E 1.30 0.56

ハイブリッドeハウスは窓の設置を検討する時、1枚1枚のガラスの性能を考慮し、この方位のこの窓にはこのガラスを…というようにプランを行います。この詳細な検討が、住宅の快適性や省エネなどの性能に大きく差をつけます。またこの考えのできていない住宅は省エネルギー住宅とは言えません。日本の家づくりでは、特に窓からの熱損失をしっかり考えることです。「窓の枠材」と「ガラス」を、しっかり考えてはじめて高性能な省エネ住宅になります。


※イメージ図

室内に入れた太陽熱を逃がさない工夫を考える

  1. 基礎を逆スラブにして、床面を蓄熱槽に
    南側の床面をタイルなどにし蓄熱量を多くする方法もあります。
  2. 南側の日射が当たる場所に重量ブロックなどでデザイン壁を設け蓄熱槽にする
    (前出のトロンブの壁の応用)
  3. パッシブ蓄熱材を利用する。
    蓄熱量がコンクリートの約5.5倍、水の約13倍という蓄熱材を床板の下に設置する方法もあります。

⇒比熱を考え重量のある物質に太陽熱を蓄熱し、熱を逃がさない工夫を

夏場の日射遮蔽を考える

  1. 西面、東面の日射は外付けブラインド等で遮蔽を行う。
  2. 南面の日射は、庇の出で調整し日射遮蔽を行う。
  3. 南面の日射は、植物やスダレ等で日射遮蔽を行う。
  4. 補助的な日射遮蔽として、室内側に設置するハニカムサーモブラインドも有効です。

⇒太陽熱利用を考えた場合、南側の開口部からの日射が大きくなるため夏場対策が重要に

まとめ

もともと日本住宅は、高温多湿の「夏」の過ごし方を重視し、「冬」はこたつや火鉢などの、暖をとる道具で人体を直接暖めていました。今でもこうした考え方や習慣があります。しかし、現代では誰もが暖冷房機を導入することが出来るようになり、「快適性と省エネ性」を考えるのが当然の時代になってきました。

しかし、昔のような隙間だらけの家では、暖冷房・太陽熱利用を考えても部屋からどんどん熱が逃げてしまい「エネルギーの無駄づかい」になってしまいます。「快適性と省エネ性」考えるのならば、「自然エネルギーの活用と省エネ住宅への取り組み」についてさらに詳しく勉強していく必要があるでしょう。

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