地中熱ヒートポンプ暖房 (4/4)
地中熱ヒートポンプの特徴
いつでも、どこでも、誰にでも
太陽エネルギーや風力等に比べ季節や昼夜を問わず安定した自然エネルギーである地中熱エネルギーを利用しているので、どの地域においても、誰にでも利用が可能です。
高効率
暖房時は外気より高い温度、冷房時は外気より低い温度の地中の熱を熱源とするため、効率の良い運転が可能です。
豊富な熱量を安定供給
冬期に空気熱ヒートポンプで暖房すると、霜付きにより能力とCOPが低下し、さらに除霜運転が必要となりますが、地中熱ヒートポンプは除霜運転が不要となり、安定した暖房運転が可能です。
■暖房運転
外気より高い温度の地中熱を熱源として、暖房を行うため効率の良い暖房運転が行えます。また、除霜運転が不要となり、連続的な運転が行えます。
■冷房運転
外気より低い温度の地中熱を排熱源として、冷房を行うため、効率の良い冷房運転が行えます。また、冷房排熱を外気に放出せず地中に放熱するため、ヒートアイランド現象の抑制に繋がります。
地中熱ヒートポンプの採熱方式
ボアホール方式
敷地内に総長で100~150mのボーリングをし、熱交換のチューブを入れる、一般的な採熱方法です。
メリット
- 日本および北欧で主流な方式であり一般的である。
- 年間通して温度が一定である8m以下の熱を利用するため、安定的に熱量を採熱できる。
- 家庭用で導入されたシステムはほとんどこの方式であり高い信頼性があります。
基礎杭・採熱専用杭方式
住宅や建築物の基礎杭(5~30m程度)を利用し、その中に熱交換のチューブを入れる方式です。
メリット
- 建築杭を利用するためボーリング工事費が不要となる。
(ただし、多数の杭を配管で接続する配管工事費は必要となる。) - 口径が大きくなるほど、多大な採放熱性能を発揮する。
- 大規模な物件等で採用実績が多い。
デメリット
- ボアホール方式に比べると短く、多数の杭が熱的な影響を及ぼし合うので、採放熱量の計算には十分な検討が必要となる。
水平ループ方式
敷地内の浅層(1.0~2.5m)の地中に熱交換用のチューブを水平に埋設し、採熱する方法です。
メリット
- 浅い地中熱利用であるため、大型のボーリングマシンを必要としない
デメリット
- 日本での実績が少ない。
- 採熱に暖房面積の1~2倍の面積が必要となる。
2013年9月9日 | エネルギーを作る・利用する・貯める | 地中熱ヒートポンプ暖房