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暖房器具比較~暖房器具の賢い選び方~ (10/11)

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター) / 暖房器具比較

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)は、電気を使ってレンガなどの蓄熱性のある素材をあたためておき、その熱を使って暖房する暖房器具です。
あたためた蓄熱素材からの輻射熱を発するタイプ(蓄熱暖房)とファンをまわして熱を循環させるファンヒータt-タイプがあります。どちらも割安な深夜電力を使えるオール電化住宅向けの暖房器具です。

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)の暖房としての5段階評価

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)は、基本的には効率性の高い暖房器具ではありません。電気ヒーターを使って熱をつくり、その熱を蓄熱素材(レンガなど)に蓄えておき、その熱を放出するというものです。「暖房エネルギー比較」の項目でも挙げたとおり、コストパフォーマンスで言えば、電気だけを使った暖房方式は効率が悪いのです。

しかしながら、蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)の場合、その電気のコスト自体が安くなるのです。オール電化住宅の場合割安な深夜電力を利用できるようになっています。通常の電気代が24円/kWh程度なのに対して、深夜電力は9円/kWh程度(約2.5分の1)になっています。
つまり、効率性も通常の深夜電力を活用しない通常の暖房器具よりも2.5倍ほど高効率に運用できる暖房器具になるわけです。

一方のデメリットとしてはその重量です。蓄熱素材はレンガなど比重があるため、どうしても重量が重くなりやすいという点が挙げられます。

節電効果については決して高効率というわけではありません。電気の使用量自体は多い暖房器具です。しかしながら、電力需要が多くない時間帯(深夜)の電気を使いますので、冬場の電力不足に与える影響は軽微といえます。

 

経済性(光熱費・ランニングコスト) ★★★★
イニシャルコスト(導入コスト) ★★
速暖性(あたたまる速さ) ★★★
全体暖房性能 ★★★★
部分暖房性能 ★★
環境・空気(換気性能) ★★★★
手間・使い勝手 ★★★★
安全性 ★★★★
節電効果 ★★★

上記の評価は個人的な評価となっております。機器の年式などによっては必ずしも上記の通りとはいえない場合もあります。

 

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)のメリット

  1. 割安な深夜電力を利用するため効率性が高い

蓄熱暖房(蓄熱ヒーター)のデメリット

  1. 重量がある。
  2. サイズが大きいので、冬場以外の時期に邪魔になりやすい

暖房の光熱費比較

暖房器具は電気や灯油などを使い冬場の光熱費の多くを占めてしまいます。下手に暖房器具を使い続けると暖房費だけで数万円の光熱費となってしまうことさえあります。ここでは、暖房器具を「光熱費」に絞ってどの暖房器具が効率的なのかを徹底比較していきます。

暖房器具の光熱費を比較する上でのポイント

まず、暖房器具の光熱費を比較する上で重要なのは、同じ暖かさを得るためにどの程度の光熱費(電気代・ガス代・灯油代)が必要になるのかを比較することが大切です。
ここでは、代表的な暖房器具として、「エアコン」「電気ストーブ」「石油ストーブ」についての各種暖房の暖房能力とその運用維持にかかる光熱費を徹底比較していきます。

以上の光熱費計算で利用するのは以下の数値に基づいて計算します。

  • 電気代:1kWhあたり24円 1kWhのカロリー換算:860kcal
  • 灯油代:1リットルあたり100円 1リットルのカロリー換算8771kcal

単純比で言えば、100円あたりのカロリー量は(kcal/100円)は電気(3583kcal/100円)、灯油(8771kcal/100円)となり、灯油が有利となります。

一方、エアコンは「ヒートポンプ技術」により成績係数(COP)が最新式のエアコンの場合4倍近くあります。これは投入した電気の何倍のエネルギーを生み出すことができるのか?という指標になります。

成績係数(COP) kcal/100円
エアコン 4 14332kcal
石油ストーブ 1 8771kcal
電気式ストーブ 1 3583kcal

以上を比較すると、暖房効率を考えた場合、エアコン>石油ストーブ>電気ストーブの順となります。

ちなみに、電気や灯油を熱に買える場合、1kWhの電気・1リットルの灯油のがすべて熱に変わるというわけではありません。光エネルギーとして放出される部分もありますし、熱以外に利用されてしまうエネルギーもあるわけです。

そのため、実際には同じエネルギーを消費する暖房器具であっても最終的な熱効率は変わってきます。

上記であらわしている熱量は仮に全てが熱となった場合という仮定付きの検証となります。

 

オール電化住宅に適する暖房器具選び

オール電化住宅においては、深夜の割安な電気料金を活用した暖房器具がオススメです。基本的に、オール「電化」と呼ぶように、自宅のエネルギー源を「電気」にしている住宅ですので電気式の暖房が主流になります。

一方、オール電化住宅の場合、昼間の電気代の単価は高く、夜間の電気代の単価は安いという特徴があります。そのため、昼間の時間帯に多くの電気を消費するタイプの暖房器具は不向きです。

蓄熱暖房

オール電化住宅にオススメの暖房器具です。重量があるため、手軽に設置とはいきませんが、夜間の割安な電気でレンガなど蓄熱性のある素材をあたためておき、そこで蓄えた熱を昼間に放出するものです。輻射熱を利用した快適な暖房器具として利用できます。

エコキュート床暖房

オール電化住宅における給湯器具であるエコキュート(電気式給湯器)と一体型の床暖房もオール電化住宅では役立つ暖房器具です。設置費用が高額になる点や工事が必要となる点などがデメリットですが、オール電化+床暖房を希望される場合はよい手段の一つとなるのではないでしょうか。

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