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暖房器具比較~暖房器具の賢い選び方~ (4/11)

暖房と結露対策

暖房器具を使うと、使わない場合と比べて非常に結露しやすくなるんですが何故ですか?という話を聞きます。暖房器具を使う場合、ほとんどのケースで結露とは無関係ではいられません。ここでは暖房と結露の関係性と結露を予防するための方法などについて分かりやすく説明していきます。

結露とは何か?

そもそも結露とは何でしょうか?結露というのは、空気が冷やされる事で空気の飽和水蒸気量が減少することで、空気中の水分が飽和量を超えることで、その分が空気にためて置けず水になってしまう現象です。

飽和水蒸気量は室温によって変化します。気温が20度のとき1立方メートルの空気が含める水蒸気量は17.3gです。しかし、気温が10度に低下すると空気が含める水蒸気量は9.4gにまで減少するのです。

気温(室温)が20度のときの湿度が70%だったとします。この場合の水蒸気量は17.3g×0.7=12.11gです。この状態で、気温(室温)が10度にまで低下したとします。気温10度の飽和水蒸気量は9.4gですので差分の2.71gの水蒸気を空気は蓄えておくことができません。
そのたくわえきれなかった水分が水になってしまうのです。

窓に結露ができやすい理由は、窓が外の空気と触れているため温度が低く、窓と触れた空気が急速に冷えて飽和水蒸気量を超えるために窓に結露がしやすいのです。
ただし、結露は必ずしも窓だけにできるのではなく、壁や床などにもできるおそれはあります。

暖房で結露しやすくなる理由

暖房を使う事で結露がひどくなる理由というのは「エアコンが乾燥する理由」と同じです。

暖房を使って空気を暖めると部屋の飽和水蒸気量が増加します。つまり、空気が含むことが出来る水蒸気の量が増加するのです。通常、私たちはそれを「空気が乾燥した!」と感じます。
そのため、加湿器を使って水分を空気中に補給して湿度を上昇させます。また、石油ファンヒーター(ストーブ)やガスファンヒーターなどを使う場合、灯油やガスの燃焼時に水蒸気が発生しています。

こうした暖房や加湿器によって空気中の水蒸気の絶対量が増加します。これによって、その後室温が下がったときに、結露が生じてしまうのです。

結露を予防するテクニック

でも、冬場に暖房使わないのは無理だし、加湿器を使わないと空気が乾燥して風邪ひいたり、お肌が荒れちゃう。というご意見もあるでしょう。もっともです。

暖房を使いながらも結露を予防する方法はいくつか方法があります。

1.輻射熱型の暖房器具を使う

輻射熱を利用するタイプの暖房器具は、室温自体を上昇させるものではありません。そのため、室温があまりあがることがないので、過度な加湿を行う必要もなくなります。結果として結露が生じにくくなります。輻射熱型の暖房器具は「床暖房」「ホットカーペット」「オイルヒーター」などが代表的です。

2.空気の入れ替えを行う

最近のマンションは気密性が高いため、屋内と屋外との間での空気の入れ替えがあまり行われません。(伝統的な日本家屋で結露が生じにくいのは空気が循環するため)
そのため、空気の入れ替えなどを行う事で、外の乾いた空気を入れて結露を予防します。換気扇などを使うのも効果的です。

 

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